コーヒーの味 2008 4 13

私、「うわっ、このコーヒー、まずくて飲めない」
友人、「そんなことないだろう。コーヒー豆は、最高の格付けを選んだ」
私、「コーヒー豆の問題ではない。水が問題だ」
友人、「やっぱり、だめか。紅茶は無理でも、コーヒーなら隠せると思った」

 日本の水道水は、飲料水として使えます。
しかし、今から十数年前、飲料水として使えなくなるような事態が発生したのです。
 その年の夏、異常気象で記録的な少雨となり、渇水状態となったのです。
その影響か、浄水場(浄水場の取水口付近かも)では、
藻が大量に繁殖し、
藻の匂いというか、藻の臭みが、水道水に染み付いてしまったのです。
浄水場で、どう頑張っても、藻の臭みは取れなかったそうです。
 家庭や職場においても、どう浄化しても、どう濾過しても、
藻の臭みが取れなかったのです。
 本当に、ごく微量に含まれる藻の臭みによって、
飲料水として使えなくなるような事態になったのです。
 その水道水を、緑茶に使うと、さらに藻の臭みが引き立ちます。
紅茶でも、同じような結果でした。
 味の濃いコーヒーなら藻の臭みを隠せるのではないかと、友人は考えたのでしょう。
しかも、最高の格付けのコーヒー豆を使えば、ごまかせると思ったのでしょう。
 しかし、結果は、同じでした。
ごく微量に含まれる藻の臭みを、最高格付けのコーヒー豆が引き立てるのです。
 最近、サブプライム金融危機の話を聞くと、あの時のコーヒーを思い出します。
サブプライムローンの最盛期には、
無収入、無職、無一文でも、住宅ローンが組めたそうです。
 このようなローンを証券化して金融商品として売り出すと問題になるでしょうから、
「再証券化」して、それでも隠せないと思ったのか、「再々証券化」して、
さらに高い格付けを付けて、おまけに保険も付けて、
一見すると「立派な金融商品」として売り出したのでしょう。
 もちろん、このような証券化商品は、複雑な証券化の過程で、
サブプライムローンの含まれる量は、少量になったかもしれません。
 しかし、ごく微量に含まれる藻の臭みによって、
コーヒーが、とても飲めない代物になったように、
サブプライムローンが微量に含まれる証券化商品が、
投資対象とならないのは、必然の結果かもしれません。
 また、隠そうとして、複雑に証券化を重ねた結果、
サブプライムローンのみを抽出するのが不可能になったのは、
水道水から藻の臭みを取るのが不可能だったのと、
不可能のレベルにおいて、似ているような感じがします。















































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